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女性管理職比率を上げるために必要なこととは

更新日:2023年5月17日

  1. 女性リーダー層は、はじめから管理職を「やれる、やりたい」と表明する人は少ないが、少しの動機付けがあれば、意欲的になる人が多い

  2. ž動機付けの鍵は、自分の強みを活かしたマネジメントのスタイルをイメージできること

  3. ž女性管理職は時間制約が多い分、メンバーの力を借りてチームで成果を上げるスタイルのマネジメントになることが予想されるが、それは組織全体にも良い影響を与える可能性が高い

女性管理職比率を上げるには のブログ

昨年から、女性管理職比率を高めることを目的に、管理職一歩前の女性リーダー層を対象としたワークショップに関わらせていただく機会が増えました。


そういう中で感じたことを、少しまとめておきたいと思います。


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女性リーダー層は、はじめから管理職を「やれる、やりたい」と表明する人は少ないが、少しの動機付けがあれば、意欲的になる人が多い。



30代~40代のリーダー層は子育て中の方も多く、「今の生活だけでも精いっぱいなのに、管理職なんて考えられない」という人、また子育てしていなくても、「周りに女性管理職がいない」、「たまにいても男性並みのスーパーマンのような人ばかりで、自分なんて無理」、等の理由から、管理職に挑戦したい、と表明する人は多くないようです。


特に、最前線で働く方達は、周りに女性が少ない「マイノリティ」の立場であり、毎日ある種のアウェイ感、孤独感を抱え、自分の思いを共有できる場も少ないのが現状です。なので、ワークショップ開始時の表情は、期待よりも戸惑いが先行し、緊張の糸が張りつめているようにも見えます。


そんな皆さんですが、同じ立場の仲間と思いを共有したり、思考を広げて未来の自分をイメージできると、雄弁になり、チャンスがあれば是非チャレンジしてみたい、と積極的になる方が多いと感じます。


ž動機付けの鍵は、「誰かのような」ではなく、「自分の強みを活かした自分らしい」マネジメントのスタイルをイメージできること


多くの女性の皆さんから出てくる言葉として、「自分はリーダータイプではない」があります。そして、リーダーとは、周りにいる上司のような、強いリーダーであり、メンバーよりもすべてにおいて秀でているべき、という固定観念があるようです。


ここで、ストレングスファインダーが役に立ちます。ストレングスの34の資質はすべてのハイパフォーマーの成功の要因であり、資質に優劣が無いこと、それぞれが持っている資質を活かしたリーダーシップを追求すればよい、というフィロソフィーから、固定観念を取り払い、「自分らしいリーダーシップとは何か?」と思考を広げることができます。


例えば、女性リーダーに比較的多くみられる資質の組み合わせとして、調和性、共感性、等があります。調和性は、皆の意見を聞き、対立をさせずに落としどころを見つけて合意形成をしながら前に進める才能、共感性は、人の気持ちを自分事のように汲み取り、寄り添うことができる才能です。この資質の持ち主は、強力に人を引っ張るというよりは、人を応援し、チームみんなで成果を上げる、サーバント型のリーダーシップを得意とします。


「自分はリーダータイプではない」と思っていた方たちも、「自分らしいやり方で人を応援し、皆で協力し合えるようなチームを作ることならできるかもしれない」、そして「そんな職場が広がれば、1人1人が安心して自分の意見を出し合えて、成果も上がる組織ができるのではないか」、と自分が具体的に貢献できるイメージも湧いてきて、「だったら管理職にチャレンジしてみよう」という前向きな姿勢になるようです。


女性の管理職が増えると、組織全体に良い影響が広がる可能性が高い


女性管理職が増えることは、今の多くの組織が直面している問題、つまり、言われたことはやるが、自分から主体的に動き、挑戦する人が少ない、等に対し、少なからず良い影響をもたらすと考えます。つまり、「助けて!」と弱みを見せられるリーダーによって、メンバーのモチベーションが高まり、協業できるチームが増えるということです。


時間制約の多い女性管理職は、何でもできるスーパーマン的リーダーを手放し、部下に仕事を任せながら育成していくマネジメントスタイルをとらざるを得ません。「自分は強いリーダーではないし、時間も限られる、だから皆に助けてほしい!」とリーダーが弱みを見せてくれたら、メンバーは委縮することなく、任されたことに喜びを感じ、主体的に動くことができるのではないでしょうか。


ぐいぐい引っ張る系の管理職の方の言葉の中に、「部下がミーティングで意見を言わず、指示待ちで主体的に動かない」があります。具体的にどのようなコミュニケーションをとられているのか聞いてみると、

「部下が意見を言わず」というよりは、その方が「雄弁にしゃべっている」状況になっており、メンバーからすると、「意見を言っても皆の前でダメ出しをされるかも」と委縮し、「それなら指示が来るまで待っていた方が良い」となっていることが推察されます。


女性管理職が増えることで、これまでの基準からすると「不完全」なリーダーかもしれないけれど、その分メンバーが活き活きと動き、協力し合って成果をあげられるのであれば、組織には良い影響が広がるのではないかと思うのです。


大企業の管理職一歩手前の女性リーダーの皆さんは、とても優秀なのに、非常に謙虚!! こんな方たちが自分の上司だったらいいなあ、是非活躍していただきたいなあ、と心から願わずにはいられません。









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